readers
場所には適性がある。
当然のことではあるが、漁師がコロッセオに乗り込んでも勝つことはまずなくて、釣竿を振って抵抗するのがせいぜいである。同じように、ビル群を探検家が闊歩したところで、求めている浪漫はおそらくない。大抵の場所では適材適所が通例となっていて、どこか狭苦しく思ってしまう。
そのぶん図書館は素晴らしい。
図書館はその蔵書量をもって、多種多様な生命を肯定している。
魚類を記した図鑑なんかを置けば漁師はおびき出せるし、探検家のためには地図を用意しよう。三ツ星を目指す料理人には先人たちの知恵をこれでもかと用意してやる。何にも属していない人々はどうするのか。ぜひ安心してほしい。人間の本能に訴えかける閑静な環境として、図書館は無料で開かれている。
まさに合理的であろう。頭ごなしに頭を進化させてきた人類にとって、これほどまでに性に合う発明はあるまい。
だがもちろん、善があれば悪がある、というように、最高級の利点があれば、汚点も存在する。
つまるところ、種別を問わない知識の溜まり場として、図書館には変人の相手をする責務があるのだ。
そして残念ながらと言うべきか、その中には、紛れもない私と机を共にする人たちも含まれているわけで、その影響からか、なぜだか私も周囲の白眼に晒されているのが現状である。
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カテゴリー: SF
投稿日時: 2026/1/15 18:53
ot
Je dois m'ennuyer
11.4 ~