第八話 鉄輪

第八話 鉄輪
 二週間なんかあっという間だ。  引っ張りたくなるポニーテールをゆらした駿河がそそくさと実家へと帰ってから13日経過していた。  その間、瀬崎指導の元、目を瞑ってもこなせる程に室内戦闘訓練をこなした。  お陰で心配性の柏木も消灯後に布団に潜ってこっそりチョコをパクパク食う余裕さえある。  「虫歯になるぞ」  「な、何が?」  今のところ、平和だ。  布団をびくりと震わせながらしらばっくれる柏木を視界の端に捉えながら、そんな事を思った。
十五歳の早計
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