愛を食べるばけもの

愛を食べるばけもの
真夜中の浜辺道、僕は陽炎が伸びたような一本道をゆったり歩いていた。海の匂いと涼しい夜の風の中僕はお腹を空かせている。僕は化け物だった。黒いふわふわした体に鋭い牙、赤く光る目を持っている。化け物っていっても人間を食べるわけではない。愛なのだ、僕は愛を主食とする。 僕にとってクリスマスの街はバイキングだった。 カップルたちの愛を食べてカップルが突然別れるあの感じがたまらなく愛を美味しくする。でも、もうクリスマスは終わって1月の下旬。カップルは時々しか見かけなく、かと言って家族愛の味はあまり好みではないのでよほどお腹が空かないと食べる勇気がない。だからもう一度言うと、今とってもお腹が空いてる。 海が見えた時、僕はふと足を止めた。海岸が見えるの岩の上に人間が立っていたのだ。僕は目を丸くする。人間は真夜中寝るんじゃないか?その人間は、女だった。生気のない顔で黒い髪の毛を揺らしながら海を見つめている。僕は気になったので声をかけてみた。 「何してるんだ?」 肩を触ると人間は振り向いた。 「…おかしくなりすぎて幻影が見えてるのかな」 僕は慌てて訂正した。 「驚かせてごめん。僕は化け物なんだ。おまえが見えるのは幻影なんかじゃない。で、何してるんだ?」
ゆるる
ゆるる
本好きのゆるるです。 恋愛系 切ない系の物語を作りますゆるるの作品が貴方の心に灯ってくれると嬉しいです🌷✨ 🫧〜詩〜🫧 花の香りにふと撫でられ私はぽつりと風になる 優しさと美しさが光となって貴方に吹きますように。私の吹く文字という風が貴方の心の紙を奏でることを静かに願います 今日も私は物語を描いていく