甘いプリン
久しぶりに立ち寄った喫茶店は、少しだけ古びていた。
それでも、カウンターの奥から漂うコーヒーの香りは、あの頃と変わらない。
高校の帰り、いつも彼女と並んで座っていた。
彼女は甘いものが大好きで、特にこの店のプリンがお気に入りだった。
僕は甘いものが苦手だったけれど、彼女が「一口食べてみて」と差し出すスプーンを断れず、
少しだけ舌を慣らしたものだった。
「ねえ、見て。カラメルがハートになってる」
彼女はそう言って笑いながら、スプーンの先で僕の手の甲を軽く突いた。
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カテゴリー: 恋愛・青春
投稿日時: 2025/11/8 7:45
寸志
はじめまして
恋愛小説を書くことが多いです。