屍ノ踊リ4話

4話「紘子と麻倉」 紘子が鼻をすんすん、と訓練された犬のようにひくつかせながら「あそこです」と廃アパートの部屋の1つを麻倉に指さす。 「今回は僕も行く。君がまた怪我をしても困るしね」 「えー。今度はちゃんと上手くやりますから、いつもみたいに外で待っててくれていいんですよ?腕だってくっつきましたし」 紘子が麻倉の同行を断ろうと元気よく腕を振ってみせた時、廃アパートのベランダの柵に誰かが座っていたような気がした。紘子はあわてて目をこすって二度見するが誰もいない。 「今……誰かあそこにいませんでした?」
羊原ユウ
羊原ユウ
ホラーと特撮ものが好き noteを中心にネオページ、カクヨム、アルファポリスさんなど多数の投稿サイトで活動中