間鬼

間鬼  クーラーが効いたオシャレなデパ地下のストアーには少しその姿が似つかわしくなく浮いてしまう作業服姿の僕達は、昼の弁当を買いに降りる。  好みの弁当を買い、そのストアーから地上へ出ると、頭上をバツの字に交差する有料道路から点滅する赤いサイレンの光りが漏れていた。 それは僕達が弁当を選んでいた間に起きた交通事故だった。 弁当の入るビニール袋を手にぶら下げ横に立つ、職場の先輩でもある友人は言う。 「間鬼に挟まれたんだね」 「まき?」 「どこにでもいるんだよ、人に怪我させたり病気にさせたり」 「どこにでもいるの」
仙 岳美
仙 岳美
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