ベール越しの言葉

しとしとと、静かに雨が降る夜。 キーボードを叩く音、紙を捲る音、 そして二人分の呼吸音が部屋を静かに満たす。 時折混ざる、 コップに入った氷の「コロン」という軽やかな音と布の擦れる音。 そして、少しくぐもった雨の音。 雨の向こうにある世界がひどく遠い。 でも、そこに嫌な気持ちは一つもない。 僕は言葉を紡ぎ、彼女はページを捲る。
夜月
夜月