透明

僕はずっと、透明だった。 クラスの誰からも話しかけられず、誰かに話かけることも出来ない。言葉が喉に突っかかって出てこない。 先生に名前を間違えられても訂正できない。 ある日、図工の授業の後の話だった。 1人の少年が僕に話しかける。…僕に? 「なぁ、お前の作品めっちゃすごかったな」
速水実弥
速水実弥
「狐少女と花少年」を連載しています。 お絵描きもしてます。