『空席のぬくもり』

カレンダーのページをめくるように、世界は当たり前の顔をして進んでいく。朝が来れば街は動き出し、改札口は人で溢れ、コンビニの自動ドアは何度も開閉を繰り返す。あなたがいなくなったあの日から、世界の一部が永遠に欠け落ちてしまったはずなのに、この街の日常は驚くほどに平然と続いている。 そのスピードに置いていかれそうになるたび、私はわざと足元を見る。立ち止まる私を、急かす人は誰もいないけれど、励ましてくれるあなたの声ももう、現実の空気としては届かない。 「亡くなった」という事実を、頭では理解しているつもりだ。それでも、ふとした瞬間に心は簡単にあの頃へタイムスリップする。 スーパーであなたの好きだった果物を見かけたとき。 おもしろいニュースを見て「あ、教えてあげよう」とスマートフォンに手を伸ばしたとき。 夕暮れの街並みが、あまりにも綺麗で切ない色に染まったとき。 「ねえ、見て」と振り返った先に、あなたの姿はない。その瞬間に胸を突く静かな痛みが、あなたという存在の大きさを何度も私に教えてくれる。会えなくなってからの方が、皮肉なほど、あなたのことを考えているかもしれない。
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カテゴリー: 日記・エッセー
投稿日時: 2026/10/20 14:07
刹那のサブだじぇ
サブ垢です!本垢は刹那という名前でやらしてもらってます☺