「第7回N1」 『戦争』

昨日、息子が戦地に行った。 家に召集令状、赤紙ってやつが届いた時、私は絶望して涙を流した。 一晩中泣いた。ずっと起きた出来事を受け入れられなかった。息子が生まれた時と同じくらい涙を流した。出会いの涙と、別れの涙。どちらも同じ涙ではある。 でも、本当にそれはどちらも、全く同じ涙と、胸を張って言えますか? 「…それは災難やねぇ……息子さん、生きて帰ってきて欲しいね…」 隣の家に住むぎん婆さんに悲しみを共有した。誰も得をしない話なのに、どうしても共有したくなるのはなぜだろう。
山田ヤマダ
みんな愛してる