ムスカリ ―さよなら、運命―
僕には年が二つ離れた妹がいた。名前は琴音。互いに呼び捨てで呼び合うほどには仲のいい兄妹だった。
勉強は少し苦手だけど、スポーツ万能で努力家。学年のトップを争うほどの整った顔立ちで、当然のように異性からも同性からも好かれていた。
そんな僕にとって自慢の妹は、もうどこにもいない。
三月二十七日、家の庭のムスカリの花の上で琴音は死んでいた。ずっと憧れていた高校生になる直前に。
この日受けた衝撃はこれだけでは終われなかった。
どうしてなのかは分からない。
僕は妹の死と同時に、予知能力を手に入れたのだ。
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カテゴリー: ミステリー
投稿日時: 2023/12/16 3:23
最終編集日時: 2024/1/21 5:16
きのこ
面白い!もっと読みたい!と思って貰えるようなものを書けるよう、日々頑張っております