犬の気持ち その32

「ぽち、どうする。今年が終わる」  どうすると言われましても。  完全に季節は冬に移り変わった頃。もこもこのダウンコートを着ている青が、空を見上げて言った。 「くっそー、今年終わるやん。今年、私何してたん? 何のやりきった感もないねんけど」  青が何してたか教えてやろうか。食って、寝る。それをひたすら繰り返していただけだ。非常にシンプルだし、何なら俺とほぼほぼ変わらない。 「いや、確実に何かを成し遂げていたはずや。思い出してみよう……」  徒労に終わると思うけど、頑張れ。 「まずは、1月……、は一旦保留にしておこうか」  挫折が早すぎるだろ。 「2月、3月……。あかん、季節単位で考えよう」
きと
きと
就労移行支援を経て、4度目の労働に従事するおじさんです。 あまり投稿は多くないかも知れませんが、よろしくお願いします。 カクヨム、エブリスタでも小説を投稿しています。