メトロノーム④

メトロノーム④
 「…母さんが、言ったんだ。」  「…え?」  「姉ちゃんに、“本当の気持ち”を思い出させてほしいって。」  「私の…本当の気持ち?」  「うん。あ、どうして母さんがそうやって言ったかは…知らないよ?」  “待って!もしかして私、光に心を読まれてる…⁉︎”  なんと、光は灯が訊こうとしたことを予測して、質問されるより先に答えを返したのだ。 −姉の『理由を知りたい癖』はかなり面倒で厄介なので、光はできるだけ答える機会を減らしたいと思っている様子。  それを知らず、灯は“えっ、どうして私の知りたいことがわかるの⁉︎”と驚いている。 …お互いが一言も喋らない、静かで気まずい空気がしばらく流れた。
白羽 唯
白羽 唯
ファンタジー小説を主に制作する、小説作家志望です。 まだまだ文章が下手&Novelee初心者なので、温かい目で見てもらえると嬉しいです! 誠に申し訳ないのですが、都合により不定期投稿になります。すみません。