夢枕

夢枕
昔飼っていた犬が、近頃よく夢に出る。 特に害を与えてくる訳ではなく、逆に恩恵を授けてくれる訳でもなさそうだ。 俺は夢の中では、昔の姿になっている。恐らく小学生六年生位だと思う。 パピヨンのモカだ。白と栗色の毛がモフモフで、散歩に行けば皆が可愛いって言っていた。 モカは俺の相棒だった。心の友だった。 俺が中学に上がって、卒業と同時に、モカは眠る様にして亡くなった。 俺としては安らかに逝ってくれた分、良かったと思っていた。 モカからしたら、寂しかったのかもしれない。そうだよなぁ、独りだもんな。 昨日なんて、寂しそうに鼻を鳴らしていたしな。天国ってのは、そんなに何もない所なのだろうか。モカのやつ、もしかして仲間の犬達がいないのだろうか。 俺は部屋の掃除を始めた。モカは綺麗好きで、自分の掛け布団を自分で直したりしていた程だ。もしかしたら、夢の中で部屋を片付けろ、って説教していたのかもと思ってだ。
まる
まる
学生です。 思いついたのを文章化しているので、内容は浅いです。 マイペースに投稿するつもりなので、よろしくお願いします!