現代侍 最終章 其の26

現代侍 最終章 其の26
「才賀てめぇ、おもしれぇ事に首突っ込んでるみてぇじゃねぇか」 容赦なく息子を、自分が座るソファではなく、ローテーブルを挟んだ対面に正座で座らせる天城才一郎。 ニヤニヤと不敵な笑みを顔に貼り付かせたまま、全てを見透かしたように、そう口火を切る。 本当に、久闊を叙する暇も与えず、いきなり話しづらいところから切り込んでくる。 この人は。 「…………おかえりなさい、お父さん」 「まぁそう構えんなって。別に責めてるわけじゃねえ」 この構図を客観的に見て、責められてないと思う方が困難だろうと才賀は脳内で突っ込むが、言葉には出せない。 どこまで知っているのかさえも悟らせないで、「お前の事など全てお見通しだ」と言わんばかりの態度で話すこの父親の話術は、いわゆる職業病な所が大きいのだろうが、犯罪者でもない息子にとってはたまったものではない。
P.N.恋スル兎
P.N.恋スル兎
嫌なことは嫌々やれ。 好きなことは好きにやれ。 名前は、兎年から始めたのと、DoDが好きなのと、ポルノグラフィティが好きなのでそこから取ってます。