Bewitching Window

Bewitching Window
暗い部屋。布団の上で、また知らない幼い少年が押さえつけられている。 父の太い腕がその身体を逃さないように締め上げ、少年の口を押さえつける。 喉の奥から潰れた叫びが漏れるが、壁にぶつかってかき消された。 「泣くな。愛されてるんだ。分かるだろう?」 父の低い声と、衣擦れの音。 少年の目は涙で濡れ、ただ助けを乞うように司を見つめた。 司は目を逸らせなかった。
かつらな
かつらな
現役女子高生、17歳。 かすかな痛みと夢の残り香を言葉に変えて、生きている証を綴る。