存在の定義 第8章 糸で紡ぐものⅣ
次の日になっても、雪合戦の会場は残されていた。雪合戦では絶対に魔法は使わないという誓約書を書かされる始末だ。しょぼくれたクラウと、膨れたアレクとフレアの顔が思い返される。その会場の隣には、平屋の民家ほどの高さはある雪だるまが並んでいた。罪滅ぼしという訳ではないのだろうけれど、クラウが魔法で出したのだ。にっこりと笑うその雪だるまの顔が、逆に悲しく感じてしまう。
止めなかった私にも責任はあるので、後でアレクとフレアに謝りに行こう。でも、流石に今日はフレアと二人きりになる勇気はないので、刺繍は一人でやろう。溜め息を吐き、今一度、窓の外の風景を眺めてみる。
良いことがないかなと思っていると、ドアがノックされて隙間が空いた。
「ミユ」
その向こうには、しょんぼりとしたクラウの姿があった。
「入って」
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カテゴリー: ファンタジー
投稿日時: 2025/10/30 10:56
七宮叶歌
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