忘れがたき炎の物語 第三章「砂漠のドラゴン編」

忘れがたき炎の物語 第三章「砂漠のドラゴン編」
第1話「奇妙な街」 クァン・トゥー王国の首都「サーティマ」 賑やかな市場の路地裏を進むと、ひっそりと佇む一軒の酒場があった。 「ヴァンの酒場」という寂れた看板が、苔むした壁に掲げられている。古びたランプが垂れ下がる薄暗い店内には、二、三人の客が静かに酒を飲んでいた。その中でも一際目立つ男がカウンターに座り、サーティマの北方ツォーホク地方産の葡萄酒に舌鼓を打っていた。 男が何故目立つのかと言えば、洗練された白布のブリオーを着用し、王国では、王に認められた者しか扱うことを許されない獅子の頭をあつらったサーベルを腰に下げているということであろう。 その男は、「勇者アマダーン」その人であった。
判虹彩
判虹彩
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