ただ泡になりたい。
君が言った。
7月の終わり頃、陽の傾いた放課後のこと。
校舎ごとの管理をしているエアコンは少し前に切られて、外の暑さが涼しい室内にじわじわと染み込む。
「俺さ、死にたいんだよね」
にこやかな顔で何気なく君は言う。
ただの他愛のない話のように。
「…え」
なんで、と問いたかった脳と、言葉を上手く絞り出せなかった口が喧嘩をする。
生まれてからずっと一緒にいる僕の脳味噌は、これまでの連携を無くしたように働かなくなった。
買ったばかりの自由帳のような脳味噌を恨む。
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カテゴリー: 恋愛・青春
投稿日時: 2023/4/9 6:03
赤木
学生
初めまして。拙い文章ですが気に入って下さるととても嬉しいです。BL作品、ほの暗い作品多いと思います。思いつきで投稿することも多いです。