飛行機雲

「にいちゃあん」  公園のベンチに座ってゲームをしていると、弟がこっちに向かって走ってくる。彼は俺より五つ下、走るのもまだヨタヨタとしている。 「どうした。何かあったか」 「あれ、見てよ」  弟が空を指さしたので見上げると、青空を横切るように一本の白い雲が見えた。
アズマ
アズマ
心に響く掌編をお届けします。 エブリスタ https://estar.jp/users/260659295 Twitter @6ECt5zpW27VvxRP