桃園
台湾旅行の前夜、卓也の家に泊まったのだった。
卓也はリビングでスーツケースを広げて荷造りをしていたのだ。
「近場だからスーツケースじゃなくてリュックにしたら?」と俺が言ったら「だって現地で色々と着たい服がいっぱいあるんだもーん」と卓也は言い、ハムスターみたいに色々と詰めていた。
「何笑ってるの?」
「だってスーツケースに必死に荷物を詰め込んでいる姿がまるでハムスターみたいなんだもん」と俺は笑いながら言った。
「それはいくら何でも酷すぎだろー」と卓也は口を膨らませて俺の事をくすぐってきて、俺たちはじゃれついた。
こんな些細な日常も愛おしく感じ、幸せに浸るのであった。
そうしている内に時刻は夜の10時58分になっていた。
卓也は大慌てで、荷造りを終えてスーツケースを閉じて、玄関の入り口付近に置いたのだ。
「やっと荷造りも終えたし、そろそろアレの時間にするか」と俺の顎を持ち上げてキスをしてきた。
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カテゴリー: その他
投稿日時: 2024/9/6 13:21
注意: この小説には性的または暴力的な表現が含まれています
前田 芍葉
まえだ しゃくようと申します。
素人ではございますが、趣味で物語などを書くのが好きでなので、これから色々と投稿していきたいと思います。