死願者

死願者
安楽死はこの国にはない。 声帯は潰れ、言葉は失われた。目は閉ざされ、腕も脚もなく、私は動くことすらできない。 そのために、人々は私に地獄のすべてを与えた。 死にたい。だが声は届かない。死なせることは、この国では許されていない。 今日も、見えない誰かに犯され、理由もなく殴られる。 私はきっと、この施設から出ることはないのだろう。 あるとき、車椅子が押された。
宮野浜
宮野浜