才能

彼女は自分に才能がないと確言した日、不思議なほど落ち着いていた。 期待もしなくていいし、証明する必要もなくなった。 それなのに、手だけは言うことを聞かなかった。 何もしていない日はとりわけ体がむずむずして、気づけばペンを握ってしまう。 才能という言葉から解放されつつあるはずの体に、 今度は別の衝動が入り込んでいた。 刻一刻と文字を刻まなければ、 自分がここにいる感覚が薄れていく。
ココロナシ
ココロナシ
19歳です。純文学志望。 よろしくお願いします。 あたたかなコメント励みになっております。ありがとうございます!