文学のつもり
純文学を嗜んだことは、私には数えるほどしかありません。
大衆文学を嗜んだことは、これまた数えるほどしかありません。
そんな文学のにわか雨のような、とても浅い知識でものをこれから私は語るわけでございます。
本を読む貴女をみていました。物語を進めるその指が、文字をなぞり端に到達するまでをずっと眺めていました。
ある人の言うことには、文学を嗜むのは良いことだそうです。私にその真偽を確かめるほどの教養こそありませんが、貴女の姿を見ていれば、あぁ、それもまたそうなのだろうと思うわけです。
すっかりぬるくなってしまったアールグレイを、昨今では見なくなってしまったプラスチック製のストローで混ぜますと、同時に自分の心と貴女の横顔の美しさが、何やらかき混ぜられているように思えるのです。
さて、区切りがついたのか、それとも飽きてしまったのか定かではありませんが、貴女は水色の四角い栞を挟み、ため息を一つきました。窓越しの木漏れ日に照らされる貴女は、それこそ小野小町さえ叶わないほど美しく、クレオパトラも悔しがるほどに気高く、きっと楊貴妃だって惚れ込むのでしょう。そんな己の美さえも自覚しないまま、貴女はこちらを向いて、少し照れたように笑って言うのです。
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カテゴリー: 恋愛・青春
投稿日時: 2026/4/6 6:49
くうきり
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