その一行を、私は知っている

自分の書いた言葉を、他人の作品の中で見つける。 不思議な感覚だった。 見覚えがあるのに、自分の名前だけがない。 たとえるなら、ずっと自分の部屋に置いていたはずのものが、ある日、他人の家の棚に飾られているのを見つけたようなものだろうか。 確かに自分はこれを知っている。 けれど、「私のものだ」と声を上げなければ、何事もなかったようにそこに置かれ続ける。
宵依 (よい)
宵依 (よい)
04(22)|元保育士 日常と記憶、ときどき空想。 こぼれ落ちそうな気持ちを、文章に。 エッセイ|詩|短編・連載小説 誰かの心に、ひとつでも残る言葉を。🌙