屋上扉前、夏空寸前

屋上扉前、夏空寸前
 すぅ、と大きめに息を吸った。少し塗装の匂いがする。 「どうしたんだい、お嬢さん」 「ずいぶんと胡散臭い王子サマだなあ」  目を閉じて、外の音を聞いていた。屋上に続く扉を背に、うちわも扇げずに。手を伸ばしてリュックを取ろうとするけど、実際は数センチ動いただけだった。暑さで少し脳が揺れる。 「数学のプリント終わった?」 「終わるとでも」 「知ってた」  ふ、と君は小さく笑いを漏らして、横に座った。気まずくない沈黙が、私たちの間を流れる。外の暑さとお互いの体温が混ざって、睡魔に似た眩暈に襲われた。くたっ、と君の太ももに倒れる。ああ、シーブリーズと君の香り、だいすき。 「何してんの。ほっぺ暑いじゃん」 「……興奮してんだよ」
夏色さいだー
夏色さいだー
夏依存症。 オタクやめよ、って思った矢先、足立レイ推しになった。 2024 10.14start