屋上扉前、夏空寸前
すぅ、と大きめに息を吸った。少し塗装の匂いがする。
「どうしたんだい、お嬢さん」
「ずいぶんと胡散臭い王子サマだなあ」
目を閉じて、外の音を聞いていた。屋上に続く扉を背に、うちわも扇げずに。手を伸ばしてリュックを取ろうとするけど、実際は数センチ動いただけだった。暑さで少し脳が揺れる。
「数学のプリント終わった?」
「終わるとでも」
「知ってた」
ふ、と君は小さく笑いを漏らして、横に座った。気まずくない沈黙が、私たちの間を流れる。外の暑さとお互いの体温が混ざって、睡魔に似た眩暈に襲われた。くたっ、と君の太ももに倒れる。ああ、シーブリーズと君の香り、だいすき。
「何してんの。ほっぺ暑いじゃん」
「……興奮してんだよ」
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カテゴリー: 恋愛・青春
投稿日時: 2025/2/26 14:07
最終編集日時: 2025/2/26 22:07
夏色さいだー
夏依存症。
オタクやめよ、って思った矢先、足立レイ推しになった。
2024 10.14start