フレイル=サモン(CVⅢ)
サウラ国領土〈ジェノバ中央都市・ハーブ魔導士の家〉
「えーっと…一旦説明してもらえるか?」
ゲージに放り込まれた実験動物を睨みながら、ラノスは唸るように尋ねた。先ほど彼の額に噛み付いた黒ネズミは、飢えた獣のようにゲージの一部をガリガリと削っている。
ラノスとシノ、ハーブとファームの四人は、大きなテーブルを両側から挟むようにして座っていた。部屋の隅では二度寝中の白狼が静かな寝息を立てており、その背中には黒猫のチャームも丸まっていた。
「はい…」
見習い醸造師のファームは、ラノスの問いかけに少ししょんぼりした表情で口を窄めた。
「この子はヒバナネズミの“サンゴー”。ハーブ師匠が飼育している実験動物の一匹で、ここ最近は私がお世話をしています。餌やりや飲み水の交換程度ですが」
「ちょ、ちょっと待ってくれ。飼育しとる実験動物って言うたか?」
助言獣は眼を丸くして話をぶった斬った。シノの方をチラ見すると、「何に驚いてるんだろう」と言わんばかりの稀有な瞳と目が合った。
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カテゴリー: ファンタジー
投稿日時: 2025/4/2 13:43
クリオネ
※注釈※
時折り過去話に手を加える事があります
(大きく変えた場合は報告します)
定期的なご確認をお願いします。
novelee様の不具合か、
長い文章の一部が
途切れている場合があります。