伝えたいこと

「あのね、あのね、愛しているよ」  ……ああ。どうして、今更気がついてしまったんだ。君は何度も何度も、僕に気持ちを伝えてくれていたというのに。どうして、君がいなくなってしまう直前で気がついてしまったのか。どうせならこのまま、気づかずにいたかった。  でも、気づいてしまったのなら伝えるべきだと思う。そうは思うのに口はうまく動いてくれない。酸素を求めるようにパクパクと口を閉じては開いてを繰り返した。  ……早く、早く。 「っ……!」  言葉が、詰まる。これが君の最期なのだから、頑張らなくては。 「……ずっと、ずっと」
未夢
未夢
はじめまして、未夢(みゆ)と申します。見てくださってありがとうございます。少しでも何か響くような文章を書けるようになりたいです。Twitterは鍵垢な上、適当なイラスト(それも低浮上)しかあげてないのでフォロー推奨しません。 好きを大事にしたいです。