わかってないよ。(後編)

わかってないよ。(後編)
 その子がいじめられていたなんて、思ってもいなかった。  見た目はすごく可愛い方だと思うし、細身で身長も高かった。  僕は正義のヒーローじゃない。平凡な高校生だ。いじめの主犯格になったりはないけど、見てみぬふりをしてきた。  日常が平凡であればいいと思って、友人の話に合わせたりして波風たてぬよう生きてきた。  でも、屋上からでてきた君は泣いていた。僕に「死にたかった」そう言った。  僕には「死ぬな」そんな言葉、軽々しく言えなかった。だから僕は「一緒に生きよう」と言ったんだ。  それからは、僕と女の子はいじめられるようになった。  それでも僕は二人だからといじめから耐えた。毎日苦しかったけど、この子を一人にさせまいと、頑張った。  毎日屋上で一緒にお弁当を食べて、君は大学に進学したいこと。好きな花は桜だという事。色々教えてくれた。  卒業式にいなかった彼女は屋上から飛び降りたららしい。
ぽんこ
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