溶ける宝石

溶ける宝石
  溶ける宝石 「あー、しまった」 放課後のチャイムが鳴ると、居残りをしていた小枝に追加の課題と言わんばかりに雨が降ってきた。 「傘なんか持ってきてないよー、どうしよう」 いつもは濡れたって構わないと思っているが今日は別だ。鞄の中に濡れて欲しくない大切な物がある。それは小枝にとってはとても大事な物だ。そのせいで下駄箱から少し出た玄関口で外の様子を見るしかない。雨は粒が大きくて、風はないがこの中を帰ろうものならずぶ濡れになるだろう。 「小枝?」 後ろから声をかけられた。澄んだこの声は小枝の大好きな人の声だった。 「こもりん!」
月雫しわす
月雫しわす
創作の世界で色々なBL物語を作っています。 各、キャラクター目線の詞や 小説っぽいものも、書いていきたいです。 普段はイラストを描いています。