「私、幸せになりたくないんだよね」 笑って彼女は言った。 僕には到底理解が及ばず言葉が出てこない。 「だってさ、身に余る幸せって毒みたいなもんじゃん。どうせ最後に独りになるなら私は独りでいいよって思う。」 「だってさだってさ?独りになったら寂しいじゃん。今まで人といたのに急になったら。でも、どう頑張ったって別れは来る訳だし。だったら、そんなの初めから適当にしておけば、後で悲しむことも寂しがることもないじゃない。」 「いや別に不幸になりたいって訳じゃないよ?でも、私にとっての幸せって、朝早く起きて、美味しいもの食べて、あったかい布団で寝るだけで十分なんだよ。その過程に人との関わりっていうのは必要最低限というか、心が動かない範囲でいいと思うんだ。」
雪月
雪月
気が向いたら書く。 気が向いたら消す。 近くて遠い誰かの話。