【BGN】空色の筆先が描くもの【天気職人】
この地球(ほし)が眠りにつく頃。突き抜けるように清々しかった青空が、その役目を終え、舞台を満天の星空に譲る。
時の流れが織り成す、美しい、ブルーのグラデーション。
揺蕩う白雲だって美しい景色のアクセントとしていい味をだすけれど、雲ひとつない晴天というのは、他のなにとも替えがたい風情がある。
この芸術とも呼べるような空模様の製作者を、僕は知っている。
満天の星空の下、古びた階段を軋ませながら登ってゆくと、そこは雑然としたアトリエが広がっていて。
そこには天井がなくて。壁すらなくて。
部屋の真ん中には、大きなキャンバスと、そこに黙々と筆を振るう大きな背中。
そのひと振りひと振りが、あすの天気を彩る。
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カテゴリー: ファンタジー
投稿日時: 2025/1/15 10:28
最終編集日時: 2025/1/20 7:38
P.N.恋スル兎
嫌なことは嫌々やれ。
好きなことは好きにやれ。
名前は、兎年から始めたのと、DoDが好きなのと、ポルノグラフィティが好きなのでそこから取ってます。