時間停止装置

ある日、町の発明家である田中博士が驚くべき装置を完成させた。それは、時間を停止させることができる装置だった。 田中博士は、装置をテストするために自宅の庭でボタンを押した。すると、周囲の時間が突然止まった。鳥が空に停止し、木々の葉が風に揺れなくなった。 喜び勇んで田中博士は庭を出て、街中で時間停止の現象を確認した。だが、その中で目にしたものは、彼の予想をはるかに超えたものだった。 人々がそれぞれの行動を止めたまま、何かに注目していた。一人は花を摘もうと手を伸ばし、もう一人は駆け寄る犬に手を差し伸べたままであった。それぞれが固定されたように立ち止まっていた。 彼らの顔には表情がなく、まるで人形のようだった。しかし、その瞳には何かを見つめる集中した輝きがあった。
ゆうまる
ゆうまる
主に短編小説、ストーリーを書いてます。 初心者です 文章の盛り上がりが欠けて面白くない物もあります。 投稿はぼちぼちやってます。 フォローもお願いします! それでも読んでくれるならありがたいです(*^ω^*)