神談(2)
木々の隙間を風が縫って行く。
葉がぶつかり合う音が、心地よい。
「おやおや、こんなとこにいたのかい?」
狐の面をつけ、見慣れぬ獣耳と尻尾をひょこひょことさせながら、近寄ってくる。
「んん、ここでお昼寝をしていたのですよ」
お日様が照らしてうたた寝をしてしまいました、と笑う女は狐の面をつけた男に向けて手を伸ばす。
狐の面を頭の方へずらすと、男の顔が見えてくる。
「お狐様は、何をしていたのですか?」
男の頬に両手をあて、微笑む女に向かって男はじっと目を見つめながら言った。
「村人たちを見ておった。ただ、腹が減ったからユキを探しておったんじゃ」
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カテゴリー: ファンタジー
投稿日時: 2026/4/3 12:13
志筑 天空