快楽のファシズム-空虚-

快楽のファシズム-空虚-
第二章 空虚  佐久間翼 東京都大田区田園調布生まれ。 彼は日本で3本の指に入る、大手ゼネコン会社を代々経営する財閥一族の中に性を享けた。 3歳の時、全国で最も有名なインターナショナルスクールへ通い始め、そこでは柔軟に英語を吸収し、翼はバイリンガルな幼稚園児へと成長していった。  5歳の時になった頃には、日常会話の半分を英語で話すようになっていた。 両親も日常会話程度の英語なら話す事は出来たので、日々の暮らしの中で家族が英語を使うことは普通の事になっていた。  翼は映画を見る事をとても好む少年だったため、良い英語も、悪い英語も、だんだんと使うようになったのである。  ある日の夕方、翼の母親の流華が言った。
中山大二
中山大二
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