救済[メリバBL]
俺らの出会いは夏だった。
学校の屋上。フェンスを軽々と乗り越えその外に立ち何かを考えているあいつと、俺は一緒に落ちたいと思ったんだ。
最後に目標を立てて幸せなことをして、二人でここから落ちようと決めた。
俺らは生憎金がない。
幸せなことなんて限られていた。
美術部員で独り残って絵を描いているお前のことを知ってから、帰宅部だった俺も美術部に入り絵を一緒に描くことにしたのだった。
「お前、めちゃくちゃ奇抜な絵描くんだな」
「そうでもないよ。僕の描いたこれは【救済】ってタイトルなんだけどね」
赤と黒と黄色で彩られている。上からは陽のようなものが差し込み、一枚花びらが千切れた二輪の赤い花のコントラストに黒が塗り重ねられていてどこか毒々しくて。
「これ、どういう意味なんだ?」
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カテゴリー: ホラー
投稿日時: 2024/2/12 16:25
最終編集日時: 2024/2/14 0:33
注意: この小説には性的または暴力的な表現が含まれています
榊原 霞
人見知りでやんす