▒を乞う

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「今年の舞はーーくんか!」  隣に住んでいるおじさんが、僕の友達に向かって言った。 「いやあ、楽しみだ。ーーくんは〜〜~~だから、きっと舞も綺麗なんだろうなぁ!」  村長の家の近くの人が、おじさんに便乗して言っていた。 「ああ、本当に!この目で見られないのが残念だ。」  おじさんとその人が、僕達の事を放って話し込んでいた。あの二人の中には、きっと僕達は人として存在していなかったのだろう。  あの二人だけじゃなくて、多分、他の大人たちの中でもそうだったろう。 「ごめんね。舞を踊ることになった子は、舞の日まであのお家にいる決まりなの。」  次の日あの子のお家に行ったら、あの子のお母さんにそう言われた。
白椿
白椿
主に小説を書いてます。 気まぐれ投稿です。