ショッピングモール

ショッピングモール
僕はさっき、チーズについて語った。 16歳のチーズは生臭くて、18歳のチーズは爽やかで、25歳のチーズは美しい、そんなことを熱心に話してしまった。 だけど、求められていたお題はショッピングモールだった。 そう思い出した瞬間、なんだか少し恥ずかしくなった。でも、同時にそんな自分が少しだけ愛おしくもあった。 ショッピングモール。 そこには、はしゃぎまわる子どもたちがいる。 親の手を振りほどいて、光るおもちゃ売り場へ一直線に走っていく。 彼らの後ろ姿を見ていると、僕はどうしようもなく切ない気持ちになる。 もうあの時代には戻れないんだ、という事実が、心の奥でじんわりと疼く。
あや
あや
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