#3
夏から秋が過ぎ、冬が来た。私は凍えながら、あの屋上に続く階段へ、毎日通っていた。
「明日から冬休みだね。」
口から白い息を吐く先輩の横顔、冷えで赤くなっている指先。私は先輩の虜になっていた。
「はい、もうすっかり寒いですね。」
小さく頷いて、先輩から目を逸らした。少しだけ、ほんの少しだけ先輩に近寄ってみた。先輩は私の肩を抱いて、体を密着させた。
「卒業までもう少し。」
「卒業か…。」
まるで考えていなかった現実を突きつけられ、私は先輩の肩に寄りかかり、前を見据えた。
「離れるのは嫌?」
先輩は意地悪く微笑んで、逸らす私の顔を覗き込んできた。先輩の温かい手が、私の頬を撫でる。脳みそがとろけてしまいそうだ、と思いながら首を縦に振った。
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カテゴリー: 恋愛・青春
投稿日時: 2023/3/17 4:47
まる
学生です。
思いついたのを文章化しているので、内容は浅いです。
マイペースに投稿するつもりなので、よろしくお願いします!