初めての席替え
俺の学校は一年にやっと一度「席替え」と呼ばれる物をする、男子は好きな女子の隣になれるように願う、俺も例外では無くウチのクラスで片思いをしている女子の隣になりたかった、ウチの学校はくじ引きで席が決まるので引く時に願いながら引くしか無い、俺の前の人が引き終わり遂に俺の番になった、案の定俺が好きな子の隣は誰も居なく俺は「当たれー!!」と思いながらくじを引いた、そしたら、ま、まさかの片思いの子の真横を引き当てた!!俺は直ぐに周りに気付かれないように小さく拳を握り締めて喜んだ、席替えが終わり各自机を動かしていると俺の名前を呼ぶ声が聞こえ振り返るとそこには片思いの子が少し頬を染めて俺の名を呼んでいた、俺は「はい!?」と変な声を出してしまった今考えると恥ずかしく感じる、彼女は、クスッと笑い「これから宜しくね」と言った俺は直ぐに頷く、少しして担任の先生から「今日は始業式なのでこの席替えが終わり次第下校になります」と言う事は片思いの子に告白するチャンスなのではと俺は思った、片思いの子とは小学生からずっと一緒で唯一中学だけは別の学校でやっと今の高校で出会ったと言う事だ、俺はその子が小学生の頃からずっと好きで告白のチャンスを狙っていたなのに中学の時に離れ離れになり唯一今が二人きりになれる時なのだ、「大丈夫だ、告白する言葉も決めた天気予報もちゃんとみた、でも向こうが俺の事好きじゃなかったらどうしよう」などと段々悪い方に考えていた、俺は息を大きく吸って心を落ち着かせ彼女に話したい事があるんだ、終わったら屋上に来て欲しいと頼んだ、彼女は「部活があるけどその後で、良いなら大丈夫だけど、それまで待ってくれる?」と言ってきた、俺は分かったと伝え彼女が部活に行くのをただ誰も居なくなった教室に一人で立っていた「告白するんだ、何を弱気になってんだよ」と心に聞きながら部活が終わるのを待っていた、明るかった外もオレンジ色になっていた、何時間待っただろう好きな人の為なら何時間も待てると言うのはこう言う事かと思っていると屋上のドアがゆっくりと開く、そこには俺がずっと好きでたまらない女の子の姿があった「ホントに来てくれたんだねありがとう」と言うと、当然と言いたそうに彼女はドヤ顔をしていた可愛すぎると思っていると「話って何?」と彼女は首を傾げながら聞いてきた、俺は大きく息を吸って「小学校の頃からずっと好きでした、最初は一緒にいて楽しいな、としか思っていなかったけど段々君をもっと知りたい、好きになりたいと思うようになったんだ、だから俺と付き合って欲しい!!」と言うと彼女は泣きながら「ズルイよ君はホントでも嬉しい」と言って告白をオッケーしてくれた、初めてずっと好きだった女の子にまさか席替えのチカラを借りて告白するとは、彼女と付き合いだして1年が経ち俺達は高校2年になった彼女の家庭は厳しく中々デートぽい事が出来なくなっていた時、俺のスマホの電話が鳴った、電話の主は...病気?だったなんだろうと思い電話に出ると「直ぐに来て下さい貴方の彼女さんが交通事故で病院に運ばれてきました息は有りますが極めて危ない状態です!!」と言われた俺は一目散に病院に行った、そこには変わり果てた彼女の姿があった、どうしたんだよと彼女に聞くと少し悲しそうに笑い「ごめん道路に子供が飛び出してるのに気付いて急いで助けに行ったらこんな体になっちゃった」と話した、俺は大丈夫だ、絶対良くなるだから諦めるな!!と言ってると「もう分かってるんだ、私もう生きられないって、あーあもう少しオシャレしたり美味しいご飯とか食べたりしたかったなー」と彼女は泣きながら話していたそれを聞いて俺は直ぐに医者の方に行き、彼女が生きれるようにして欲しい、俺がどうなっても良いからと言うと「それは出来ません」と言われ俺がなんで!?と少し怒った風に言うと「彼女さんから言われてるんです私の彼氏は自分の事より他の人の事を考えてしまう優しい人だとだからもし彼氏が自分の事を後回しにしていた時はこう言って欲しいと、「やめて?そんな事の為に自分の命を投げないで、そんなので私生きたくないよ」と、ですから出来ません」そう彼女は最初から俺の事をずっと見ていてくれたのだ俺はバカだそんなのにも気付かないで、彼氏失敗だな、などと考えていると彼女の病室から心電図の音が鳴った俺は嘘だと思いながら彼女の病室に行ったでも着いた頃にはもう彼女は息をしてなく俺がプレゼントした指輪を握り締めて静かに眠っていた、俺はただ何も出来ずに一人泣いていた、彼女ともう会えないと思った瞬間一気にチカラが抜け地面に座り込んだ、少し経った頃にさっきのお医者から「彼女さんから貴方に渡して欲しいと言われていました」と言われ一通の手紙を渡されたそこには「学校の何処かに手紙を隠しました貴方は分かるかしら?」と書いてあった俺は直ぐに学校に向かい学校を隅々まで見た、学校は冬休みで誰も居なかった、俺は見つかってくれ!と思いながら物を探した、そうしたら初めて彼女と席替えしたあの教室が目に止まった、まさかと思い中に入ると机がポツンと一つだけ置いてある事に気づいたその机の中には彼女の文字で「先に行っちゃってごめんなさい、でも今でも私は貴方の事大好きです、ここの学校で貴方に会えて良かったバイバイ、次は私が向こうで待ってるね」と書いてあり俺は大泣きした
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カテゴリー: 恋愛・青春
投稿日時: 2022/11/3 17:06
最終編集日時: 2022/11/3 17:09
注意: この小説には性的または暴力的な表現が含まれています
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