ナイト・キャッスル 第十四話 決意

ナイト・キャッスル 第十四話 決意
「そうか…。君は偉いな。俺の望みは…」 お客様は、少し間を開けてからこうおっしゃいました。 「そうだな…やはり家族に会うことだろうか…。」 「家族に…。」 お客様の言い方に少し違和感を感じました。この方にとって家族、はきっと何よりも大切なものなはずなのに、どこかぼんやりしたような言い方です。まるで、望むことを躊躇っているいるような、隠しているような…。 「あの…、私の勘違いならいいのですが…、お客様にとって家族、は大切な存在で、そんな存在に、何年も会えていないのに、どうしてどこか虚ろな瞳をされるのですか…?まるで、望むことを躊躇っているような…。」 「…凄いな、君は…。でもな、強く望むなんてことは俺にはできない。」 「何故ですか…?お客様には望む権利があり、それを叶えようとする権利だって…。」 「それは、俺の戦死した仲間たちにも言えることだ。」 「…。」
月宮ちさき
月宮ちさき
中学3年生の月宮です。 演劇部 よろしくね。