ナイト・キャッスル 第十四話 決意
「そうか…。君は偉いな。俺の望みは…」
お客様は、少し間を開けてからこうおっしゃいました。
「そうだな…やはり家族に会うことだろうか…。」
「家族に…。」
お客様の言い方に少し違和感を感じました。この方にとって家族、はきっと何よりも大切なものなはずなのに、どこかぼんやりしたような言い方です。まるで、望むことを躊躇っているいるような、隠しているような…。
「あの…、私の勘違いならいいのですが…、お客様にとって家族、は大切な存在で、そんな存在に、何年も会えていないのに、どうしてどこか虚ろな瞳をされるのですか…?まるで、望むことを躊躇っているような…。」
「…凄いな、君は…。でもな、強く望むなんてことは俺にはできない。」
「何故ですか…?お客様には望む権利があり、それを叶えようとする権利だって…。」
「それは、俺の戦死した仲間たちにも言えることだ。」
「…。」
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カテゴリー: ファンタジー
投稿日時: 2024/5/20 3:19
月宮ちさき
中学3年生の月宮です。
演劇部
よろしくね。