世界の終わりには 君に隣にいてほしい

 どうやら、この世界は終わってしまうみたいだ。  それも多分、あと数時間くらいで。 「だからさ、集団幻覚を起こす次世代型兵器なんだって」 「なんだよ、それ。テロ?」  教室の真ん中、一人が捲し立てるようにタブレットを見せびらかしながら陰謀論を振り撒き、周りの何人かは退屈そうな顔で彼を見守っていた。  彼らの気持ちはわかる。無視したいんだけど、結局は気になって仕方がないんだ。  世界は、終わるらしい。  理由は……よく分かっていない。
ぬけがら文学