親父の背中

親父の背中
 残暑と思えないほどの、暑すぎる午後の昼下がり。  吹き出る額の汗を拭いながら、僕は無駄に広い駐車場を一人歩いていた。  ここに来るのも、去年の夏以来か。あっという間だな。  大人になると、時間の流れが早く感じすぎて残酷だなとたまに思う。  まだ老いるには早いだろうと、運動不足の体を叱咤してぱっぱと歩き入口へ向かった。  受付を済ませた僕は、管理人に案内された桶や柄杓を借り受け、そのまま奥へと入った。  その中は神社とも寺院とも違う、独特な禍々しい雰囲気が漂っていた。どこからか感じる不気味な視線と冷涼感が僕を迎えているようで、拒んでもいるように感じた。  気にしたらだめなやつと思い、僕はすたすたと歩いて目的の場所を探した。  少し歩いた僅か数十秒で、目的のものは見つかった。  一目で見て分かるように変わった形のものにしよう、という母さんのアイデアは正解だったなと、今にして思う。
ペガサス
ペガサス
はじめまして! 将来ショートショート作家を目指して活動しています! ぜひ読んでいただきたいですし、皆様に面白い作品を届けたいので、至らぬところがあればいろいろ教えてください