羽星こもぎ

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羽星こもぎ

自分と向き合うエッセイを書いています。

ゲリラ自己中

私の両親は頻繁に喧嘩をする。 喧嘩というより、父の“口聞かないぞ大会“通称『自己中』 大体の事の発端は父の「気に食わない」 いつもやっていることorいつも父がやっていることの中で抽選で選ばれた母の行動で急に怒り出す(勝手に)。 母が父に刃向かったり、言い返したるするとこれまた急に怒り出す(勝手に)。 私や、弟が小さい頃はリモコンや携帯電話を投げたり(尚、今でもその被害である穴の空いた襖が幾つかある) 母の髪を引っ張ったり、蹴ったりとまさにDV的行動をしていた。 一度、私や弟のすぐ側で母に暴力をしたことがあり、私はその時咄嗟に母方の祖母に連絡をするという出来事があった。 連絡をして数秒後、母が父に向けて口にした「○○(私)がお母さんに連絡したらどうするの!!」と言う言葉で混乱をした。 私は母を助けるために連絡をしたのだが、その行動はいけなかったらしい。 他にも、私が友人と遊んで家に帰ると母が泣いているという事がついこの間あった。 「どうしたの?」と聞いても「なんでもない」の一点張り。 父と母が言い争った後なことは薄々気づくことが出来た。 その中でふと弟を見ると、なんとこれまたびっくり、過呼吸になっていた。 私は何も言わず背中を摩ったり、通常心拍のタイミングで背中を叩いた。 ただ治らない。 母が来ると、弟は泣き出した。 母が言うにいつもは姉である私が居たが、今回は一人でどうしたらいいのか分からず混乱と恐怖を味わってしまったのではという事だった。 父の気まぐれや気分で起こるこの『自己中』は当たり前にどんな時にいつ起こるのか分からない。 いわばゲリラ的なものなのだ。 さて、ここで私の覚えている中でいちばん大変だった“自己中”をご紹介しよう。 (これについて、私も小さかったので全ての記憶が正しいかは分からない) 母によれば私の弟と私はイヤイヤ期と呼ばれるものがなかったらしい。 ただ一つ、弟は父の抱っこでなければ泣き止まなかった。 だから家族で外出の時は必ず父は弟を抱っこしていた。 その日もそうしていた。 ただ、何があったのかまだ小さかった私は知らないが、急に駅のホームで両親の言い合いが始まった。 その時、父が抱いていた弟を降ろし、床に座らせどっかに行ってしまった。 弟は大泣き。 私は混乱。 母は弟のためどこかへ行ってしまった父に電話を掛け続けるが出るはずもない。 カオス状態となった。 さて、一体どうやって仲直りをするのか。 目には目を歯には歯を 気まぐれには気まぐれを。だ 母は自己中が始まると父に一切話しかけないという行動をとる。 不便極まりないがそうしなければ自体を悪化させてしまうからだ。 そうするとどうなるのか。 気まぐれな父が話しかけてくるのだ。 毎回毎回私はその度にびっくりをする。 ただあくまでも気まぐれなので、何日、何週間、何ヶ月かかるのかは分からない。 これからもこの“自己中”は何度も起きるだろう。 その度に呆れたり、震えたり、様々あるだろう。 父を反面教師に、私や弟は育つのだろうか。 母は父にしびれを切らして離婚を選ぶのだろうか。 あと何度“自己中”が起こるだろうか。 分からない、分からないが、 将来、父が亡くなったその時に思い出すことになるだろう。 その時にこの文を読んで懐かしむことが出来るだろう。

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