海星

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海星

アイコンは鳥卵様のちみころめーかーです ひとでと申します フォロバはしません、ご了承下さい バットエンド(メリバ)好きです よければお付き合い下さい 気まぐれにssを書きに来ます

死がふたりを包むまで

1番辛く苦しい時っていつか分かる? 叩かれた時?暴言を吐かれた時?違うの それはね 「死ねなかった時なんだよ」 目の前の病院のベッドに横たわってる彼女は言う 申し訳ないが…同情してしまう 《死は救済》 だが死ねなかった、ということは 《救いはなかった》 「この世で地獄みたいな日々を過ごしてたのに」 「死ぬことだけが救いと思ってたのになぁ…」 目に見えて落胆している…当たり前だ 骨が折れるほどの衝撃に音、それに諸々の準備 見ていてとても痛々しい彼女は咽び泣いていた もうその傷だらけの背中を触る資格も その優しい手を握る資格も その目から止めどなく溢れる涙を拭う資格も 彼女を慰める資格も自分にはないだろう 無力な私はただここで見て聴くことしか出来ない 誰一人としていない閑散としたこの病室には 部屋主の悲痛な声しか残っていなかった …やはり、あまりにも不憫だ 今までの準備が全て踏みにじられて このままじゃ彼女は___ 「いますぐ私を助けて」 そうだ、そうだった 私たちの間で《救い》は一つだけ 「ねぇ、もう一度私と飛んでくれる?」 もちろん何度でも、でもこれで最後がいいな 「私のこの使えない身体を支えてて」 もちろん、支えないと一緒に逝けないでしよ 「貴方は今そこにちゃんといるのかな」 いるよ、すぐ側にいる 「貴方だけ先に逝ったの許してないから」 「でも、私も連れて行ってくれたら許してあげる」 「ちゃんと私の事許してくれる?」 「分かってて聞いてるでしょ、もちろんだよ」 「地獄でも大丈夫だよね」 「もちろん、貴方がいるなら」 「2人ならどこにいても大丈夫だね」 死は全てを無に帰すモノだと思ってたけど 死でも壊れないものがあるらしい 横にいる彼女とのこれから…とか

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「『あなたはあなたのままで』」

「生きていたい人に「死ね」って言うのがいじめならさ、 死にたい人に「生きろ」って言うのもいじめじゃない?」 私の友人が言ってたその言葉 僕達の人生の言葉 今となっては彼女が言ってたこと全てが 世に対する皮肉や疑問が詰まっていたような気がする 「女だから僕はおかしいの?同じ人間なのに? 僕がダメなら男だって私って言うのダメじゃん」 『私はいいんだって』 「はは、ろくな理由も無いくせに…くだらな」 『…ねぇ、私達おかしいのかな』 「……さぁ…ね」 こんな会話ばかりだったけど、凄く充実してた 彼女はきっと世間一般的に見たらおかしかったんだと思う でも、おかしくなかったら世間という名の波に 跡形もなく呑み込まれてしまいそうで どちらにしても怖かった 自分達を押し殺して消すか顕在させたまま消すか 僕達は顕在させる方を選んだ 楽しかった、凄く自由で楽だった どこでも行けるような気持ちだった 彼女が私の手を取ってくれて嬉しかったし 初めて「この人は信じれる」って思った …ずーっとこんな感じだと思ってた 思いたかった ある夏の日、彼女が死んだ それを聞いた時、目の前から色が消えて何もなくなった こんな感覚は初めてだった 心に穴が空いて、でも他のモノで埋まる気がしなかった ずっと暗闇にいて抜けられなかった 『麗華…私……これからどうすれば、』 数ヶ月悩んで彷徨った でも、もう、無理だ 麗華がいない事耐えられない 『…つめたい』 今私がいる夜の海に身を委ねることは 自分自身と向き合うっていう意味があるらしい それに夜の海は死と再生の象徴 僕達に合わせたら死と再会…かな 冷たい海水が私を呑み込んでいく 麗華が言ったこと全部忘れた事ないよ “あなたはあなたのままで” そう思わせてくれてありがとう 『私、麗華の事好き』 沈む前に言った、私の本心 そっちに行ったらちゃんと伝えるから どうかあの眩しい笑顔で私を受け入れて

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「『あなたはあなたのままで』」

世の理

私にとって世界は大きすぎる 自分が凄く小さく見える 悩んでいて苦しんでいることなんて この世界に比べれば遥かに小さい でも この世界は小さすぎる 私に凄く影響を与える こんなことで苦しんでいるなんて 私だけ 大きいし小さい 矛盾してるけど、 分かっちゃうんだ 世界は《こう》なんだって もう後戻りは出来ないんだって

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『名も残らぬ私の日記』

『私は夏が嫌い 酷暑で気が滅入ってしまうから 私は夏が嫌い 休みがあるから家にいなければならない 私は家が嫌い █と█が嫌いだから █と█は私が嫌い 産まれてきちゃったから 私は夜が嫌い 本当に孤独に溶けてしまいそうだから 私は孤独も嫌い 私は夏が好き この暑さで落ちた衝撃で酷くなれそうだから █と█にこの上ないトラウマを さようなら私』 彼女は亡くなった お世辞にも綺麗とは言えない状態で見つかった そして、彼女の遺体のポケットには クロユリと赤いユリが入っていた

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自己紹介

見つけてくれてありがとうございます! 私は海星(ひとで)と申します。 プロフィール欄に書いてある通り、 バットエンド好きで死ネタ好きです。 よろしければたまに見に来てください。 敬語間違い、誤字脱字等あれば教えていただけると幸いです。 フォロー、コメント喜びます。 フォロバはしません。 申し訳ありませんが、ご了承お願いします。 ここまで読んで頂きありがとうございます! 遅い、不定期更新になりますが宜しくお願いします。

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