とのくま
2 件の小説とのくま
23歳。夢追うフリーター。最重度の花粉症 ぼちぼち書いていけたらと思います。 エブリスタ→ https://estar.jp/users/372094204 Twitter→ @Tono_Kuma_
「真夜中の悪魔の、ハイテンションな1日の作り方★」
「明日は早朝の仕事だから4時に起きるぞ。アラーム確認……ヨシ!」 私は朝が弱い。 低血圧だからか、アラーム1回ではなかなか起きる事が出来ない。 しかも起きてすぐ体を起こすと、酷い目眩と軽い頭痛が起こり、全身の血が激しくドクドクと鳴り響く。まるで自分の体ではないみたいに全身から力が抜けて、体が床に叩きつけられる。 だから私は、本当に起きないといけない時間の1時間前に、アニメ「ワンピース」に出てくる“電伝虫”の声のアラームをセットして、そこから家を出ないといけない時間まで、5分〜10分おきに鳴らす。 私はその5分〜10分の間に、何度も寝て起きて、少しずつ心と体を起こしていく。 この起き方になってから、とても朝が楽になり、更に、1日中しんどくなりにくくなった。 《《コレを考えた私、ほんっとうに天才だと思う。》》 当然そんなアラームの設定の仕方をすると、実際の寝ている時間の長さや深さは短い訳でして、その分早めに寝始めないといけない。 早朝バイトのない日は、夜更かししてどの時間に起きても良いのだけど、仕事のある日は遅くても22時には布団に入り、24時までには寝れるように頑張っている。 こんな朝弱いのに、なぜ早朝の仕事を選んだか疑問に思うでしょう。それは、 【仕事の後、癒しの時間が欲しい】 【好きな事の勉強がしたい】 そして、【遊びたい】 正直の所、主に3つ目が私の心を占めているかもしれない。 夕方の仕事も考えました。でも私の性格上。それだと私は、夕方まで寝続けて1日仕事をしただけになる。そう思ったんです。 ふふふ。誰に言い訳をしてるのでしょうか。こんな夜中に。 おおっと、そうこうしている間に今何時になったんだろう。 え。24時32分!? ええええええ!!! あと、3時間18分しか寝れない! アラームセットしたのが22時半……。 ちょっと今日の反省しようと思ってたら、いつのまにか起き方の自画自賛して、最後の方に関しては自分に浸ってた。23時には寝るつもりだったのに。 …くっ。こうなれば1分1秒でも時間が惜しい!早く寝なければ! 確か、英語で羊を数えると寝やすくなるっていつだったかテレビで言ってた気がする。 sheep(シープ)のシーが眠りに誘ってくれるって言ってた!……と思う。知らんけど。 どうりで日本語で羊で数えた時、寝れなかった訳だ。日本語は寝れる単語ではない。 《《英語で数えたら今回は寝れるでしょう!》》 私は藁にも縋る想いで、ゆっくりと羊を数え始める。 ……One sheep(羊が1匹) ……Two sheep (羊が2匹) ……Three sheep(羊が3匹) ……Four sheep(羊が4匹) ……Three sheep(羊が3匹) “くっくっくっ。よぉ〜、自・称・天・才さん。いつ気づくんかな〜?” ……Four sheep(羊が4匹) ……Five sheep(羊が5匹) ……Six sheep(羊が6匹) “……Three sheep(羊が3匹)” ……Four sheep(羊が4匹) ……Five sheep(羊が5匹) ……Six sheep(羊が6匹) “……Three sheep(羊が3匹)” ……Four sheep(羊が4匹) ……Five sheep(羊が5匹) ……Six sheep(羊が6匹) ぶるっぶるっぶるっるっる。 あ〜あ。はいはいはい。 ぶるっぶるっぶるっるっる。 聞こえてる…。 ぶるっぶるっぶるっるっる。 聞こえてるってば! あは、あは、あはははh。 始まった。始まってしまった。 MP−1、HP1から始まる、地獄の1日が。
真夜中の悪魔
現在時刻:午前2時43分。 眠れない。 眠たいのに、目と頭が冴えてる。 寝る前のスマホは、睡眠不足の原因になるのは分かっているのに、無意識に手が伸びる。 そして無意識に、Twitterのアプリを開きスクロール。 見終わると今度は漫画アプリを無意識に開き、漫画を読み漁る。 そこで私に悪魔が囁く。 “コレ怖そうやな読んでみようや” 少し残ってる理性が反論する。 “あかんって絶対。やめなさい。自分怖いのん読んだらまた寝られへん様になるで” 更に悪魔が優しい声で囁く。 “そんなに怖くないかも知らんやん?ちょっと読んでみてホンマに怖そうやったらやめよ?な?” ここで少し残っていた私の理性は、私より先に眠りについてしまった。 “すぅ……。” 1ページ、2ページ、3ページ。 (だ、大丈夫。まだ怖くない。) 4ページ、5ページ、6ページ。 (あ、ちょっと怖い……。) 7ページ、8ページ、9ページ。 (やばい、怖い。しまった、見るんじゃなかった。手が止まらへん。) 怖いのに、続きが見たくなってしまう。むしろ続きを見て結末を知らないと気になって寝れない気がする。 でも、結末を知ってしまっても怖くて寝れない気がする。 そんな葛藤を繰り返しながらも、私の愚かな指先は止まらない。 10ページ、11ページで第1話が終わった。 (読み終わった……。) しかし、物語が途中で終わった為、物語の結末を知るために第2話に指先が伸びる。その物語も途中までで終わった為、また3話4話と読み進めてしまい、結果的にその作品を1つ、一気に全部読み終わってしまった。 案の定、怖くて更に寝付けなくなってしまった。 こんな夜中に、私の悪魔とホラー作家の|掌《てのひら》で踊らされてしまった愚かな私。 あゝあの時、かろうじて残っていた少しの理性に従えば良かった……。 現在時刻:午前3時47分