大人になりきれない私は
至極単純な性格だ。
音楽を聞けば音楽を作ってみたくなるし、
本を読めば本を書きたくなるし、
絵を見れば絵を描きたくなる。
その類の才能が無いことは九割自覚しているのに、何故か残りの一割を潔く諦めきれず時間だけが過ぎ去っていく。
きっとその最後の一割を諦められるのが
"大人"ってやつで、
その一割を信じ続けられるのが
"才能"ってやつだ。
薄汚れた布団の上で寝転がりながら、私はこんなもんじゃない!才能の無い人間はいないんだ!と、これまたありきたりな言葉で自分を奮い立たせる。
まだ靄がかかって掴みきれない"才能"の影をじっくりと目で追いながら、今日も大人になれない私は燻り続けている。
いっそのこと爆発して火事にでもなってしまえばいい。