ロー

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ロー

ワートリ2次創作  影浦  犬飼

俺たちは犬猿の仲だった。 顔を合わせればすぐに喧嘩をするし、相手を煽る。 でもそれが一番いい距離感で居心地のいい物だった。 だから、それで良かったんだ。 「おい、カゲ。いい加減犬飼と仲良くしろよ」 いつの日か、鋼にそう言われた。 「ケッ、あんな奴と仲良くするわけね〜よ」 あいつは感情と表情が一致してないから気持ち悪い。 初めて会った時、そう思った。 嫌う理由はそれだけでいい。 「いい加減、影浦先輩と仲良くしてください!」 いつの日か、辻ちゃんに言われた。 「俺は仲良くしたいんだよ〜」 うそだ。原因は俺にあるって分かってる。 でも、直すことは無理だ。 だからこれで良いんだよ。 「あぁ〜、つっかれた……」 「あれ?カゲじゃん」 鋼に言われた数週間後に久しぶりに会った。 「チッ」 「舌打ち〜?ひどいな〜」 酷いとも思ってないくせに 「何してたの?」 はやくこの場を離れたいと思ってるくせに 「なんで、そんなに自分を隠すんだ?」 「えっ………」 少し興味が湧いた。 ずっと自分を隠している“犬飼澄晴”に 久しぶりにカゲと会った。 辻ちゃんにあんなこと言われた後に会うとか…… とにかく、はやくこの場を離れたい。 なのになんで! 影浦隊の隊室に連れてかれてるんだよ!! 嫌だよ!嫌だよ!!!!! 「んで、なんでずっとヘラヘラしてるんだ?」 「さぁ〜、、?」 またはぐらかした、、、 「いいから言え」 「…だって、この方がみんな気を使わないでしょ?」 こいつ…… 「それは周りのことだろ」 「俺のことはどうでもいいじゃん」 ……それは……それは!! 「それは!おまえのことだろ!!」 「!?」 「お前のことを大事に思ってる人は?お前のことが好きな人は?」 「バレなきゃいいんだよ」 「もしバレたら?」 「絶対にバレない」 「無理だ。いつか絶対バレる」 「絶対に隠し通す」 「………それじゃあ、お前はいつ素を出す」 「ん〜……」 「じゃ、俺の前だけでも素でいろ」 「え……」 「それだったらお前も楽だろ?」 「いいの?」 「悪い感情を受けるよりましだ」 「うぅ……うわぁぁぁーーーひぐっ」 そこから俺たちは仲良くなった めでたしめでたし

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“性障害” 最近よく聞く単語 僕は実際にそうだと思う 確証はない 僕は女子だ でも男子だ だから“俺”っていう第一人称がいい でも親はそんなこと微塵も思ってない なんなら拒否するまであるだろう いちゃダメな存在かもしれない ここにいちゃダメなのかもしれない 僕はまだ学生だ こんなこと、友達にも言えない まだ許される“僕”っていう一人称を使う シンプルで中性的な格好をする それが今できる最大限のこと それが今できる最大限の自分へのこと でも、女子で良かったこともある でもやっぱり男子がいい そんなことは間違っても口にできない だから自分を偽って 笑って 笑って 思ってもないことを口から言う その裏で“助けて”って叫んでる それが僕の毎日だ

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