杜宮よる
10 件の小説忘却
過去の失敗 今の怠惰 未来への不安 僕を蝕む あの日の劣等感 あの日の喪失感 あの日の焦燥感 僕を傷つける あいつの言葉 あいつの目付き あいつの表情 たまに僕の邪魔をする あの人の愛ある満面の笑み あの人にかけられた応援の言葉 あの人に向けられた期待 全部忘れられたら、どんなに楽だろう。 それでも。
傷
“傷つくことで強くなる“と聞いたことがある。 それは回復方法を知っていくからだと思っていた。 でも僕は思った。 「1万」と「1万3 」がほぼ同じのような。 傷つきすぎて、傷だらけで、 そのせいでどの傷が今付けられたかすら 分からなくなるということではないだろうか。
僕を愛したい
僕の身の回りで起こることは 良くも悪くも全て僕の一部となる。 大切な人の死 誰かに付けられた傷 寄せられた期待 かけてもらった応援の言葉 喧嘩した友人 笑い転げた夜 なにかに熱中した日々 消してしまいたいほど醜い記憶も。 ずっと抱きしめていたいほど暖かい思い出も。 その時だけのものかと思えばそうじゃない。 一生僕の中にある。 嬉しい、恋しい、楽しい、 醜い、汚い、痛い、苦しい、 全て僕のもの。 僕は僕の一部となった全ての出来事も愛することが出来る。 僕は自分を愛したいから。
ここで、はじめまして。
杜宮よる(もりみやよる)と申します。 成人済みです。 めんどくさがり屋です! 楽しいことが大好きです! 小説はまだ書いたことがありません。これから書いてみる予定です。 主にエッセイを書いていこうと思います。 共感などがあれば、いいね押していただけると幸いです。 これからよろしくお願い致します。 2023年2月3日
6. 雨上がり
不安を抑えてくれるという、 薬の力を借りて、僕は安定を得た。 薬だけでは無い。家族や友達、ネットの力も借りた。 傷つき死にたくなることも、 これからの生活や将来の不安に襲われることも 人と会うことの恐怖も ほとんど無くなった。 心身の病気だった自分の心が回復してくると、 自分が怠けているように感じてくる。 そう悩むこともあったが、 僕は悩む事も、傷つく事も、 人間の当たり前だと心得ることにした。 そうすると少しばかり楽です。 僕はこうして、約半年かけて病み期から抜け出すことが出来ました。いや、抜け出すと言うより、心の霧が晴れると言いましょうか。 今僕は元気です。 この連載は1人の人生の通過点であって、奇跡が起こったり、綺麗で華やかな終わりがある訳では無いので、 ヌルッと終わりを迎えますが、今の僕は誰かに否定されても、傷ついても、生きる力が身についたと思います。 結局は薬の力じゃね?って思うかもしれませんが、それでもいいのです。 綺麗事は好きでは無いですが、傷つくことで得たものが沢山あるからです。最後までお読み頂いてありがとうございます。ではまた。
5. 不安定な心
ある日、父親に怒られ、罵倒された。 この時の感情も思い出したくないくらいだ。 恐怖と悲しみと嫌悪感で涙があふれた。 死にたかった。 世の中には思い通りにいかないこと、厳しいこと、辛いこと、傷つくことが沢山ある。頑張らないと生きていけない。 そんな世の中なぜ生きなければいけないのか。 生まれたくて生まれてきたわけじゃないのに。 産んだなら死ぬまで大切に面倒見ろよ。 それか殺せよって思った。 僕はまた自室にこもり布団にくるまり心を守っていた。 「何もしなかったら後悔するよ」と言われ、 「生まれてきたことにもう後悔してる」という言葉で実の親を泣かせた。 さすがに罪悪感を覚えた。 育ててきてくれた恩と、愛してきてくれた時間を考えることができていなかった。 さらに死にたくなった。 意思もなく生まれてきて、 意志を持って生きてきた。 でも今はどうだろう。 そんな僕でもちゃっかり未来のことを考える。 将来、こんな親にはなるまいという気持ちと、こんな世の中に自分の子供を産み落としたくないという気持ちが芽生えた。
4. 一冊の本との出会い
ありのままの自分を受け入れて、愛する。 僕が出会った本にはそのように書かれていた。 今思えば心の回復にはこれが全てだった。 僕は“否定されること”に怯えていた。 “肯定してくれるもの”が必要だったんだ。 自分を1番優先して、 自分に優しくして。 失敗しても、不器用でも 要領が悪くても 成績が悪くても 人に頼れなくても 何もしたくなくても 僕はちっともおかしくない。 どんなに醜い感情を持つ自分でも愛して。 僕には素敵なところがたくさんある。 成績や経歴や業績は僕の価値には関係ない。 自分の価値をこの本が与えてくれた気がした。 自分のありのままを肯定してくれて、 自分の味方が出来た気がした。 嬉しくて涙が出た。 心が少しだけ楽になった。
3. どん底
全部どうでもいい。 学校とかどうでもいい。 卒業とかどうでもいい。 今日も明日も未来もどうでもいい。 人も自分もどうでもいい。 何も出来ない、したくない。 何も考えれない。 話したくない、動きたくない。 「学校は行かないの?」「どうしたいの?」「話してくれないと分からない」 と質問攻めされても、 「うるさい、黙って」「ほっといて」「自分でも分からないし、分かって貰わなくていい」「どうでもいい」 と布団の中から叫び散らかすことしか出来ない。 自分の価値を見失い、生きる意味もなく、 周りは全て僕を否定する敵に見えた。 生きる気力も死ぬ気力もなかった。 出来れば、もちろん死にたかった。
2. 病みの過程
結果が出ない。 上手くいかない。 目標に届かない。 それは全部自分のせい。 自分に怒りを覚え、自分を責め続ける毎日。 人に、協力も応援も期待もしてもらっている。 頑張らないと。 結果出さないと。 上手くやらないと。 目標達成しないと。 そんな日々を過ごしていた僕は ある日、人にも、責められ怒られた。 どんな気分だったかは思い出したくもない。 とにかく涙が止まらなくなった。 「そんなんだから」この言葉の威力は大きい。 頑張っていたはずなのに、頑張れていなかったんだ。あぁそうか。 僕が悪いんだ。そうだよね。そうだそうだ。そぅ…。 怒りの感情を持つことが少ない僕は、 自分を責めて、悲しむことしか出来なかった。 次の日の朝、熱が出た。 解熱剤も効かず、1週間、熱が下がらなかった。
1. 今までの自分
僕は多分真面目だった。 僕は人に頼るのが下手だった。 だから自分だけで頑張った。 僕は人に嫌われるのが嫌だった。 だから人にも優しくできた。 僕は怒られるのが嫌だった。 だから出来る限りいい子ぶった。 僕はプライドがなかった。 だから負けても悔しくなかった。 僕は頑固だった。 だから他の道が見えてなかった。 僕は人の期待に応えたかった。 だから精一杯結果を出そうと頑張った、 つもりだった。