霞む

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霞む

物書きをしたことがないので拙いですが…

Inmarcesible

命は二度終わりが来るらしい 何かでそう見た気がする あなたと出会ったのは11月 肌寒い季節だった 一緒に暮らし始めてすぐは大人しくて 猫かぶってたね 今思えばまた捨てられるんじゃないかって不安だったんだろうね 少しずつ我儘になって、少しずつ大食いになって、少しずつリードを強く引くようになって… 少しずつ少しずつ… 本当のあなたを見せてくれた 私が怒られた時、落ち込んだ時そっと寄り添ってくれた 優しいあなたが大好きだった 違うね 今でも、これからもずっと愛してる 最期は一緒にいれなくてごめんね 何度も辛い治療させてごめんね あなたが生きたいとも死にたいとも言えないから 私が望むだけの時間だったのかもしれない 1時間前まで一緒だったのに、私がいない時にお迎えがきちゃったね あなたの最後の優しさだったのかな? それでも一緒にいたかったななんて言っちゃだめだよね あなたがいなくなってからもう何年経ったかな もっとこうすればよかった もっと写真を撮っていたらよかった もっともっとが今も溢れてくる 後悔しかなくて、くやしくて、もどかしくて きっと大らかで優しいあなたはあまり気にしてないのだろうけど でも残った私にもできることがあるの それは毎日あなたを思い出すこと たくさんの思い出を残してくれたから 毎日毎日思い出すこと 私はあなたを二度も死なせない

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Inmarcesible

嫌いな季節

またこの季節が巡ってきた 私の嫌いな青い夏 高い空も 眩しい太陽も 輝く海も 煌めく星も 静かな夜も 全部全部思い出の中にあるものと同じはずなのに 何かが違う 朝まで一緒にいて眩しい太陽の下帰ったあの日 降り注ぐ日差しの中バナナボートに何回も乗ったあの日 浴衣を着て歩いたお祭りの夜 あの日も…あの日も… 夏がくるたび思い出してしまう

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嫌いな季節

足跡を眺めてみる

私が生まれて 今まで生きてきた 振り返ると足跡が残っている 小さな足跡と大きな足跡 大きな歩幅の足跡 小さな歩幅の足跡 つま先だけの足跡 小さな肉球と一緒の足跡 1人になった足跡 膝をついている足跡 手をついている足跡 いつから私の足跡は 楽しそうじゃないんだろう いつから私の足跡は 自信がなさそうなんだろう いつの私の足跡は 幸せそうになるんだろう この先どんな足跡になるのか 確かめる術もないから 足を止めてしまおうか ここらで月でも眺めながら あの子の足跡を思い出しながら

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溢れてるだけ

何とも思ってないのに ふとした瞬間頬が濡れてる もしかして今悲しいのかな もしかして今辛いのかな 自分の気持ちが見えなくなって 心の器を手探りで探してる なんだただ溢れただけか 毎日の欠片が溢れただけか いつものことか 私は大丈夫 おまじないのように毎日唱える呪い 呪いが溢れたら 涙になるんだね ただただしょっぱい水を 出してるだけだから 私は大丈夫 今日も呪いを私にかけて ゆっくり死に向かうだけ

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溢れてるだけ

日常の戦場

死んじゃいたいって嘆いても そんな勇気は欠片もなくて 消えちゃいたいって喚いても 忘れられるのは怖くって こんにちは 何もかもうまくいかない私 今日だって 変わるための一歩も踏み出せないまま ただぬるりと過ぎ去る24時間 また今日が終わる 明日はさ どうにかしようともがいてみようか けれど結局今日の続きになってしまう 夏休み最後の日に 宿題全部終わらせてたのに 大人の私は諦めちゃってる やればできると信じてきたけど 信じる元気も無くなってきた だってどうせ私はだめなんだ なんとなく生きてきてた なんとなく上手くいってた それなのに なんとなくがわからなくなって なんとなくが今を苦しめている なんとかなるってみんな言うけど なんとかって何だろう 苦しい中生きていくのもなんとなくなの? 楽しく生きたいだなんて そんな高望みはしません 神様なんて信じてないけど いるなら苦しくさせないで もうすでに苦しいで溢れているの 早く楽になりたい そう思いながら苦しいを抱えて生きてる

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日常の戦場